車は急に止まれない
オデッセイはいつものように農道を走っていた。
この農道、かなりスピードが乗ってしまう道路だ。
道路脇に立っている看板には「40」という数字が書かれている。
しかし、朝の時間帯にその速度で走っている車はいない。周りの流れに乗ろうとすると、この数字より一段上の速度を出す必要がある。
スピードが出てしまう要因は、いくつかある。
先ず、見通しが良いこと。周りは一面田んぼだらけ。はるか先まで見通せるようになっている。先が見えることで、ついアクセルを踏んでしまうんだと思う。
そして、「止まれ」の標識が少ない事も上げられる。何箇所か交差点があるのだが、その全てが両脇の道が一時停止するようになっている。つまり、「止まれ」の標識が無い。
また、時間帯も上げられるだろう。「朝」と言う時間帯は、遅れれば遅刻してしまう。そのため少しでも早く会社へ行きたい。そんな気持ちが後押ししてスピードを出してしまうのではないかと思う。
このような環境化に置かれた僕のオデッセイは、制限速度から見たらスピード超過気味で、農道にある交差点の一つに差し掛かった。
交差点には対向車がいた。しかし、止まっている(少なくとも待っている)様に見えた。
一般的に道路は直進優先だ。交差点も例外ではない。
そのため、僕のオデッセイはそのまま交差点に近づいていった。
しかし!
あろう事か、対向車が右折を始めたのである。
対向車の右折。それは、僕の進むべき道がふさがれると言う事。
オデッセイが進める空間が無くなった。
とっさに踏むブレーキ。
「ガガッ」とABSが効く。
しかし、オデッセイは止まれない。1t以上のオデッセイを止めるには距離が無さ過ぎる。
止まれない!
この時に、右前方の空間(対向車が動いた後の空間)に逃げ道を見つけ、ハンドルを右に切った。
そして、オデッセイは対向車の側面にヒット!その後、右前方へと進んでいった。